おたまじゃくしはカエルの子

元小学校教員の、徒然なる日々の記録

Canadian's traditional

カナダに行く、と決めた時から気になっていた事があった。

 

カナダの料理ってなんぞや?

 

アメリカならでっかいハンバーバーやホットドック、イギリスなら紅茶にスコーン、イタリアならマルゲリータピザ・・・・というように、いわゆる先進国なら名前を聞いただけで思い浮かぶ料理が一つや二つは必ずあるのに、カナダだけ全く思い浮かばない。

 

ここに到着してから2週目に、語学学校の友達が「カナダのtraditionalな料理を食べに行こう」とランチに誘ってくれた。学校からバスに乗って少し行った所に、ファーストフード店のような雰囲気の店があり、中に入るとメープルリーフの旗や模様がたくさん飾ってある。カウンターでメニューをみると、「Poutine」という表記と共に、山盛りのフライドポテトに何やらソースがかかっているらしい料理の写真があった。とりあえず勧められるまま注文をしてみたところ、ホントに山盛りフライドポテトにグレービーソースとマヨネーズとベーコンがトッピングされただけの物が運ばれてきた。日本人からすると

「これは・・・・料理?」

という感じ。

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一口、二口はB級グルメ的なおいしさがあって良かったのだが、次第に味の濃さとオイリー感が気になりだし、半分ほど食べた所でギブアップ。もったいないので、そのままお持ち帰りをしたが、一日分のカロリーをその一回で全て摂取してしまった背徳感が半端なかった。

 

帰ってからネットで調べてみると、その「Poutine」はここではおなじみの食べ物のようで、若者を中心によく食べられていることが判明した。日本人観光客向けのサイトでには、その他にもフィッシュアンドチップスや七面鳥のグランベリーソース添えなどがカナダの料理として紹介されていたが、どれも

「別にカナダじゃなくても食べられるんじゃない?」

という物ばかり。ますます謎は深まった。

 

後日、語学学校の先生(ブラジルから来たパワフルな女性。ここで長く教えている。)にカナダのtraditinonalな料理はなんだと思う?聞いてみた。

彼女の答えは実にシンプル。

「ない」

ほ~~言い切ったか、と思っていると、こう続けた。

「ホントのホントのカナダ料理はアボリジニの人達のサーモン料理よ」

 

アボリジニ、というと、オーストラリアの先住民族を思い浮かべるが、カナダにもアボリジ二の人達がずっと住んでいて、独自の文化を築き上げていた。そこに、世界中から移民が集まってきて、今のカナダが作られている。フランスから来た移民が「French fly」を持ち込んだのが少しのアレンジを加えて「Poutine」になり、イギリスから来た移民が「Fish and chips」を持ち込んで、これはそのまま定着して、なんとなくtraditinonalな料理になっている、というのが現実らしい。カナダ、特にバンクーバーには中国を初めとするアジアの人も多く、日本食レストランもたくさんあるが、

カルフォルニアロールは実はここバンクーバーが発祥だ」

と彼女は言っていた。

 

日本にもカレーライスやラーメンなど、海外からやってきた料理はたくさんあるけど、どれも手を加え、工夫を凝らし、日本人の味覚と風土に合わせて味も姿も変えている。(これは料理に限った事ではなく、他の文化や習慣もそうだ。)

それに対して、ここでは外国から色んな食べ物が、だーーと流れ込んでいつの間にやら文化?として居座っているんだから面白い国だな、と思う。

 

そう考えてみると、カナダが世界のスクランブル交差点のように思えてくる。


独自の文化をもたない。それが実はCamadian's traditionalなのか?