おたまじゃくしはカエルの子

元小学校教員の、徒然なる日々の記録

感想?

先日、務めているフリースクールでの一コマ。

 

子供が遊んでいる周りに、持ち物やら、昼食で出たゴミなどが散乱している。

「これ、片付けて。ゴミもちゃんと捨てて!!」

と声をかけると、こんな返事が返ってきた。

 

「それって、あなたの感想ですよね」

 

「・・・・いやいや、一言も感想なんて言ってませんよ。ゴミが散らかっているのは事実です。はっきりとした。」

そう言うとその子は、「だめかあ〜」と言いながら渋々片付けを始めた。

 

後でよくよく調べてやっとわかった。あれは、論破王ひろゆきの「名言」で、小学生の間で流行っているらしい。

ひろゆきがTVの討論番組に出た際、論拠を挙げないで勢いだけで主張をしてきたアナリストに対して言ったのが、この一言だったらしい。

 

ほお〜これがこの「正しい使い方」なのか。と思っていると、隣にいたダンナが苦笑しながら言った。

「『これってあなたの感想ですよね』というのも、ひろゆきの感想だよね」

 

言われてみると、確かに。というか、人間の「意見」というのは全て「感想」から始まっているのではないだろうか。

 

そういえば、以前、

「日本の会議は『意見』ではなく『反応』だけをぶつけ合っているだけで意味がない」

と、とあるブロガーさんが語っていた。確かに、教員時代の職員会議は、ベテランの先生の「反応」を見て、なんとなく議案が通っていくのが常だった。

 

せめて自分の感じた事くらい冷静に、「反応」ではなく「感想」として言えるようにならなくてはいけないなあと思う。それが、結果的に自分を守る事にもなる。

 

ちなみに冒頭の子供は、この「名言」を何回か私にぶつけてきたが、意味がないと気づいたのか、最近はとんと言わなくなった。