おたまじゃくしはカエルの子

元小学校教員の、徒然なる日々の記録

なぞの鉛筆ルール

学校から離れて、3年ちょっと。

学校にいた頃は「そんなもんなのか?」と思っていたけど、離れてみたら「いやいやそれは絶対おかしいでしょ」と思う事が多々ある。

そんな「今だから言える、不思議な学校文化」について書いてみたい。

 

世田谷区の学校に赴任した時、6年生の担任になった事。なった、というより、なってしまった、というべきか。

 

ある時、隣のクラスの担任(学年主任の男性、おそらく30代後半)にこんな事を言われた。

「2組(うちのクラス)の子達がシャープペンを持ってきてるってうちのクラスの子が言ってるけど、ホント?」

言われてみれば、ペンケースの中にシャープペンを入れてた子がいたかもしれない。その時はあまり気にもしなかったが、それっていけないのか?

 

「基本、筆箱の中身は鉛筆5本、赤鉛筆1本、定規1本がルールだからね」

 

・・・・えええ~

 

それって、私が小学校に入学した時と同じじゃん。

 

あれから20年以上たっているのに、こんなルールがまだまかり通っておるんかい!と内心突っ込みをいれたが、そんな事を言える立場であるわけもない。

とりあえず「わかりました。指導します。」と言った。

 

しかし、指導するとは言ったがいいが、何をどう指導していいのかわからない。私自身、鉛筆なんて絵を描く時くらいしか使わない。鉛筆は細くて握りづらいし、削るのが面倒だし、書いているうちに線が太くなる。鉛筆を使わないと、子供の脳に著しい悪影響があるとでもいうのだろうか。

 

う~んと悩み、次の日の朝の会で「一応ルールだから」という極めて説得力のない説得を試みる。案の定子供達からは「なんでそんなルールがあるんだ」と言い返され、すごすご退散した。まったく、この担任は情けない事、この上ない。

 

因みに隣のクラスの学年主任は

「ちゃんとルールを守っているいるやつらがいるのに、こっそりルールを守らないで好きな物を持ってきてるなんて、ずるいだろ!!」

と熱弁をふるって、クラスのほぼ全員を鉛筆を使わせていた。

 

・・・だからなんでそのルールがあるのか、説明してくれよ。

と、思ったが、それは最後までなかった。