おたまじゃくしはカエルの子

元小学校教員の、徒然なる日々の記録

メープルリーフと日の丸

カナダに来て、メープルリーフの模様を当たり前のように見るようになった。

ドラッグストアやスーパーでは、メープルリーフ模様のセーターやマフラーを着けたくまやビーバーのマスコットが必ず売られている。メープルシロップ味のクッキーやキャンディのパッケージには、必ず国旗が描かれている。Dollarramaという日本で言うところの百円ショップ的な店(ただし、1ドルで買えない物の方が多く、クオリティも超微妙)に行くとメープルリーフグッズコーナーがあり、カナダのミニフラッグやキーホルダー、ストラップなどが売られていた。

バンクーバーの街角には観光客向けのギフトショップが点在しているが、売られている商品は大きく3タイプに分けられる。カナダのアボリジニの模様をプリントしたグッズ、メープルシロップを使ったお菓子、そしてメープルリーフ模様のグッズだ。メープルリーフがどどーんとプリントされていたり、くまちゃんやビーバーちゃんのマフラーがそれだったり、アディダスのロゴと掛けていたり、バリエーションも様々。大体店内の6割以上がメープルリーフで、他にはないんかい、と突っ込みたくなる。

メープルリーフがカナダの象徴なら、日本の象徴は日の丸。でも日の丸グッズが売っている場所は、靖国神社明治神宮くらいではなかろうか。なぜか日の丸を、戦争や軍国主義と結びつける人がこの国にはまだたくさんいる。でも考えてみると、国には国旗があり、国歌があるのは独立した国なら当たり前な事なのだから、何をそんな偏見を持っておる、という話なのだ。

カナダにはいわゆる伝統的な料理はない。イミグラントの寄せ集めのこの国は、イミグラントこそがカナディアンで、象徴的な伝統も文化もそしてお土産も、びっくりするくらい少ないのだ。
だから国旗を見て
「自分はカナディアンとしていきるんだ」と確認する瞬間が、国として纏まる上でとても必要なのかもしれない。

そう考えると、
日の丸は軍国主義的だ、とか君が代は歌うべきでない

などといいながらも一応国として平和に廻っている日本はなんと呑気な国なんだろうと思ってしまう。

7月1日、建国記念日であるCanada day。町は赤いメープルリーフ模様で溢れかえった。皆赤と白の洋服を着たり、顔にペイントをしたり、中にはおそまつくんのはたぼうのように頭に国旗をさして歩いている強者もいる。

その様子を見ながら、いつか新聞で日本の建国記念日がいつか言えない若者が全体の半数以上いたというニュースを思い出してしまった。