おたまじゃくしはカエルの子

元小学校教員の、徒然なる日々の記録

カナダ、犬事情~食事編

ホストファミリーが1週間のクルージング(ディズニーのクルージングでアラスカへ行ったらしい)に出かける前の週、私はホストマザーやファザーからくどいほど

「ルファス(犬)の面倒を見てくれてありがとう」

と言われた。

私は本音と建て前の日本人。だから、笑顔で

「全然。犬は好きだし問題ないよ」

と言ってはいたが、内心、

「やっちまったな~超めんどくさい事ひきうけちゃったー」

と思っていた。

犬は好きだし、実家でも飼っていたので問題はない。だが、彼らの犬の飼い方のこだわりを見ていたら、だんだんめんどくさくなってきたのだ。

 

まず、基本となる食事。これは朝と夕方の二回に分けてするように言われた。これはまあ普通なのだが、ドッグフードを皿に盛って、ほれ、という訳ではなかったのだ。まず、缶詰めのドッグフードを3分の1ほどボールに入れて、レンジで30秒ほど温める。スプーンでまぜまぜしてほぐした後、そこに三種類のドライフードを計量カップで測って入れる。それをさらに混ぜ混ぜして、ようやく完成。

 

このエサをやるのも、犬小屋の前にほれ、と置くだけではなかった。ホストファザーには

「ルファスはクリスチャンだから、食事の前にはお祈りをさせてくれ」

と言われた。なんのこったい、と思ってホストファザーがエサをやるところを見てみると、

「ルファス、プレー!!」

と言うと、ルファスは地べたにふせて、(目だけはエサの入ったボールを見つめて)日本流に言えば「ふせ」のポーズを取った。そこから

「天なる父よ、うんたらかんたらうんたら・・・・・」

とお祈りをし始めて、

「アーメン!」

と言うと、ルファスは体をガバっと起こしてエサのボールに頭をうずめた。

早い話が、日本で言う所の

「お座り」

「まて」

なのだが、クリスチャンでもなんでもない私がこんな「お祈り指導」的な事を、相手が犬だとは言えやっていいものなんだろうか。

 

 

とは言っても、もしこの一週間でルファスが急に太ったり痩せたり、病気になったら私のせいになるわけだし、一週間後にホストファザーが

「アーメン」

と言い終わるまえにルファスがエサを食べだしてもやっぱり私のせいになりそうだ。そうなると、ここまで比較的平穏に過ごしてきたホームステイでの生活にも影響が出そうなので、私はホストファザーがやるよりかなり荒っぽくえさをざくざく混ぜあわせて(電子レンジでチン、はやらなくても大丈夫だ、と勝手に判断してやらなかった)ホストファザーがやる半分以下の時間で、「お祈り」をさせていた。

 

かなり適当ではが、それでもエサを与えていた事には変わりなく、

「こいつに逆らうと、ご飯がもらえなくなってしまうらしいぞ」

という事は、ルファスもわかったようだ。

初日こそ、私の適当な「お祈り」を無視しようとしたルファスだが、私が日本語で

「こらー!」

と怒ると、次の日からは上目遣いに私を見て、一応は言う事を聞くようになった。