おたまじゃくしはカエルの子

元小学校教員の、徒然なる日々の記録

子供の時代の過ごし方

バンクーバーでの滞在中、私は週に2~3回日加センターという所に通っていた。

ここでは、日本人留学生向けのサポートを主に行っていたのだが、その他に日本人向けの英語レッスンとカナダ人向けの日本語レッスンもあった。と言っても、普通のレッスンとは少し違う。日本に興味のあるカナダ人と、英語を勉強したい日本人が登録して、日本人は日本語を、カナダ人は英語を教える。ただ、お互い教える資格はもっていないので、教材やは教わる人が持ちこむ。なんなら、50分間フリートークでもいいよ、というフリーダムさ。お値段も手ごろで、私にとってはとてもありがたい存在だった。

 

私が日本では小学校の教員をしていた、と話すとよくカナダの教育事情が話題の上る事が多かった。

 

これはカナダに限った事ではないのだが、あちらの大学生は大学に入ってからがとても大変だ。毎年、一つ学年が上がる毎に三割程度の学生が進級できずに落とされて行き、卒業できるのは入学者数の半分以下。それに日本のように、「就活」があるわけではないので、一斉にリクルートスーツを着てエントリーシートを書く必要はないが、「自分にはこんな能力があります」とアピールできるモノがなければ就職は難しい。バンクーバーにはUBCという日本で言うと東大、京大レベルの大学があるが、そこを卒業した学生でさえ多くはインターンを経験して、即戦力としての能力を付けてから就職する。よく、

「日本の就活は本当に変だし、気持ち悪い!!」

と言う日本の大学生に会うが、仕事のスキルが何もない学生を雇ってお金を与えて育てようとしてくれるのだから、日本の企業はある意味面倒見が良いとも言える。

 

こう書いていくと、カナダの学生がすさまじく立派で偉い感じがするが、多くの子供達は小学校、中学校、高校は日本の子供より自由な時間を過ごしている場合が多い。あるカナディアンはこんな事を言っていた。

 

「日本人は小学校から高校まで毎日勉強勉強勉強…なのに、大学に入ったら毎日パーティー、パーティー、パーティーなんだろ?なぜ興味の幅を広げるべき時期に自由にさせないで、一番頑張らなきゃいけない時期にパーティーパーティーなんだ。逆だろ」

 

と言われた事がある。これには全く反論の余地がなく、ごもっともですと深く頷いた。

 

日本に帰ってきてから、週5日、すごい場合だと6日、毎日習い事や塾に通っている、という子供に会ってきた。毎日学校でやることを指示され、家に帰ってきてからも指示され続けるのは、大変だろうがある意味楽なのかもしれない、と思う。暇な時間に何をしようか、考えるのは意外とめんどくさい。それを見守る大人にしたって、それは同じ事だ。

だが、その暇な時間に何をしようか考える、一見何の意味もない時間が子供にとって大切な時間だったりするのかもしれない。

 

と言っても、この時代だから自由にさせた所でスマホを一日中いじりまわして、スマホ中毒になるだけなのかもしれないが。