おたまじゃくしはカエルの子

元小学校教員の、徒然なる日々の記録

「先生」の体

先日、噂のワクチンを打った。

一応、その日は仕事は休みにして、次の日も休めるように手を打ったが、内心そんなに大げさにしなくても大丈夫じゃないか…と思っていた。

 

…が、甘かった。

ワクチンを打ってから5時間後あたりから体がだるくなり、熱を測ると37度。その後解熱剤を飲んで一度熱は下がったものの、翌日再び上昇。結局丸々二日間副反応に付き合わされる羽目になった。ここの所、毎日マスクをつけてるせいか、風邪もあまりひかなかったから久しぶりの感覚である。

思えば、教員時代は本当によく風邪をひいた。春にスタートして、最初のドタバタを過ごして、保護者会を緊張して終えた後に、まず一回ふっと熱が出る。で、次に夏休みが明けて、怒涛のごとく運動会の練習が始まり、ばたばたしていると喉がいたくなる。これをのど飴と喉スプレーでごまかして本番が終わった後に、ぶあっと熱が出て、2回目。そしてその後は、寒くなると同時にインフルエンザの季節がやってきて、下手すれば1か月に一回のペースで熱を出していた年もあった。

教員になりたての頃、先輩に「まずは元気に毎日学校に来ること」と言われた事がある。そんな普通の事がなぜ大切なのか、最初はわからなかったが、すぐにその意味を知る。学校の人員にゆとりはない。だから、だれかが休めば、他の誰かが無理をしてその分をカバーしなくてはならない。それに、クラスの子どもも担任が休めばなんとなく落ち着かない気持ちでその日をすごさなくてはならない。どんなポンコツ担任でも、休むよりは学校にいてくれた方が、はるかにいいのだ。

驚いた事は、ベテランの先生達になるほど風邪をひかない事である。私など、冬になると風邪をひいたり、インフルエンザにかかったりで大騒ぎをしていたが、50代、60代の先生はそんな若手を労わる事はあっても労われる事はほとんどない。「もう体に免疫ができちゃっているからね」と言っていたのを思い出す。

あの仕事を長く続けていくには、やはり体の内側から学校に染まっていかなくちゃいけなかったんだろうなあ・・・・。私は色んな面で「先生」にはなりきれなかったのだろう。

 

あの時の先輩たちは、やっぱりワクチンを打っても副反応など出さないで(出ても気力で乗り切って)子ども達と過ごしたんだろうか。