おたまじゃくしはカエルの子

元小学校教員の、徒然なる日々の記録

子供の、幸せ

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教員時代、とある先輩先生に言われたことがある。

 

「『子供は楽でいい』と大人はいいけど、全然そんなことないよ。大人はね、ストレスが溜まったら、おいしいものを食べて好きな物を買ってストレスが発散できる。だけど、子供にはそんな選択肢なんてないんだから」

 

子供は大人より、うんと不自由だ。

大人は、自分で住む所が選べる。仕事が選べる。一緒に住む人も、食べる物も、着る物も、全部自分の経済状況と責任の範囲の中で決められる。

だけど、子供はそれら全て、周りの大人が決めた中で生活しなくてはいけない。それだけでなく、学校に行けば学校の、家に居たら家のルールに従って動く事を求められる。大人になった今の私がそれを求められたら、『絶対むり!』と言うに違いない。

さらにさらに、学校に行けば常にみんなと一緒に動く事を求められる。授業では、どの教科も学校が定めたレベルまで到達しなくてはいけない。

これだけ色んな個性や、バックグラウンドを抱えた子供が集まっているのに、だ。

 

たまに、思う。

ウン十年前の私、よく我慢してたなあ。

そして、それからウン十年たって教師をやってた頃の私。子供達に全く無駄なストレスかけてたなあ。自分が、我慢していた立場なのに。

 

子供にとっての幸せってなんだろう。

 

日本の教育に常に付きまとっている「こう、あるべき」という鎖を取っ払って、この事を考えてみたら、意外とあっさりともっと大事な事がある事に気が付けるような気がするのだが。